アタシの好きな人は、

吉田誠(よしだまこと)

って言うの…。
同級生で、同じクラス。
実は3年間一緒。
これって運命?なんて思ったり、、
と言っても、アタシの学校は少ないから2クラスしかないんだけどね。
でも、やっぱり期待しちゃうよね。
それが恋する乙女よ。
誠くんは野球部。

アタシは2年の冬に好きになった。
その頃、アタシの前の席が誠くんだった。
誠くんとはその時、初めて話した。
1年の時に席近いことなかったし。
男子に全く興味無かった。
喋るのも嫌だった。
誠くんに恋に落ちるまではね・・・




誠くんは、周りの子、、男女とも
たくさん話をする人だった。
もちろん、アタシにも話かけてきた。
「喋るの初めてだよなー?」
「えっ?・・・うん、そうだね」
「よろしくなー。俺のこと下の名前で呼んでな。」
「うん。分かった。」
アタシは喋るの嫌だったから、
早くどっか行って・・・って思ってた。

でも、誠くんはジーっとアタシを見て、
何かを待っているようだった。
「なに?」
「・・・俺は何て呼んだらいい?」
「何でもいい。」
「じゃあ、愛里な。」
「は?」
アタシはすっごく驚いて、
大きい声で言ってしまったの。
「何でもいいって言ったじゃん。」
「そうだけど・・・。」
「じゃ、よろしくなー、愛里。」
「え、ちょっと・・・!!」
そう言って彼はどこかへ行った。
アタシはこの席になったことをその時は後悔した。