ユウナさんの話を聞いてみると結構
他殺の可能性もある


まず、高校生が倒れたところを発見されていた時の服装が、パジャマなどではなく、出かける時に着て行くようなちゃんとした服装であるということ

そして、倒れていた場所と、殺された高校生の自宅が、結構遠い


彼が、インフルエンザの症状が出始めたのは一週間前、インフルエンザと診断されたのがその次の日
タミフルを最後に飲んだのはその高校生が死ぬ四日前


幻覚を見たやつが、服を着替えて外出するのか?
幻覚を見たやつが、そんなに遠くに行くのか?
そんなに時間が経ってるのに幻覚を見るのか?


いずれも、幻覚を見るような奴がするようなことはよく想像できないことだ
幻覚だと言い切られれば、そうかもしれないし、幻覚をいつ見るのかというタイミングも定かではない



でも、この事故がタミフルやインフルエンザで幻覚を見たからで済ませるのもおかしい・・・



「結局、警察はメンドクサガリ屋なのよ。私も刑事の仕事に憧れてたけど、結局こんな感じ。」


「でも、ユウナさん。警察は今、一生懸命通り魔を逮捕しようとしてます。みんな頑張っています。」


冬の冷たい風が吹く
ユウナさんの黒髪が風でなびく


「・・・・。」


「僕たちも、これが事故なのか、事件なのか、はっきりさせましょう。」


「うんっ。わかった。」




ようやくユウナさんの顔にやる気が戻ってきた



カワイイ・・・