いったい どれぐらい走っただろう。 長い時間 走っているような気がする。 しかし実際は まだ、1分と走っていない。 何せここは森の中。 火が回るには 絶好の場所だ。 迫りくる炎の恐怖で 足がすくみ 前に進めない。 それでもみんな 必死に、必死に 逃げようと、懸命に 走り続けている。 美憂と母親も同じだ。