「し、死ぬってどういうことよ!?」

美波は怒りの顔で京に言い寄ってくる。普通の男性なら脅えるところだが、京は臆することなく言葉を放った。

「聞いた通りだよ……。俺は死ぬんだ」

「なっ!? い、意味分かんない。こんなに普通にしゃべってるあんたが4日後に死ぬ? よく出来た嘘にしか聞こえないわね」

「……これが嘘だったらよかったのにな……」

「え……?」

京が小さく呟いた一言は美波にはっきりと聞こえていた。

「これが嘘だったら……俺が加奈と別れるわけないだろ……」

「じ、じゃあ……」

「ああ。今言ったことは全て真実だ。これは俺が医者である死神から言い渡された運命なんだからな……」

美波は京の言ったことをちゃんと真実と捉えたのか、目から溢れんばかりの涙を流し出す。

「美波……」

「ぐすっ……何?」

「このことは……絶対に誰にも言うなよ」

「で、でも……」

「分かったな?」

「ッ!?」

美波はただ下唇を強く噛みながら、屋上を走って出ていった。