「加奈と別れようかな――って考えてた」

「え……?」

京は何の戸惑いもなく加奈に視線を向ける。

「う…そ……だよね……?」

「いや、本当だ。加奈……別れてくれ」

「え……な、何で……」

京のいきなりの言葉に、加奈は戸惑いが隠せないでいる。だが京は、そんな加奈を前にして平然としていた。

「ど、どうして?」

加奈の目にうっすらと涙が見える。

「もう俺に加奈と付き合う理由がなくなったからだ」

しかし京は、あくまでも冷たく接する。

「付き合う理由って何!?」

「……その言葉の通りだ……」

「それじゃ答えに……」

「いずれ……」

京は加奈の言葉を遮るかのように言葉を放つ。

「いずれその意味が分かる……」

「ッ!?」

加奈の頬に涙がつたう。

「だから……俺と別れてくれ」