俺は懐かしい場所に向かって走った。
今日は大晦日だ。
世間では、一年の終わりを家族と過ごしたり、恋人と過ごしたりするんだろう。
俺は…そんな今年最後の日に、
人生最大の真実を知りに行く。
着いた場所は、ばーちゃんの家。
俺と美空が生まれてすぐ両親が事故で死んで…
それからずっと育ってきた家。
じーちゃんが先に亡くなり、今年にはばーちゃんも亡くなり、
今は、遺産目当てで帰って来た、父さんの弟がひとりで住んでいる。
俺はインターホンに手を伸ばした。
――ピンポーン。
……応答がない。
でも、車もあるし、いるはず。
俺はしつこくインターホンを連打した。
しばらくすると、家の中から物音がして、
「……はーい。…なんだよ、朝っぱらから……」
中からヒゲ面の男が出てきた。
.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.