美空の顔は見れなかった。
俺も泣きそうだったから。
力の抜けた美空の手から、ネックレスの入った箱がずり落ちた。
「…んでぇ……なんでよぉ…っ…」
顔を歪ませて、真っ赤になった美空の目から、絶え間無く涙が溢れ出る。
…泣くなよ、美空。
俺はもう、美空を抱きしめられないから…。
俺のことなんてさ、思いっきり憎んで、忘れて、
そんで…
…誰よりも、誰よりも幸せになってくれよな。
美空…
泣かせてごめんな。
美空と一緒にいれた時間、
短かったけど、
すごく幸せだったよ。
こんな俺のこと、
好きになってくれて、ありがとな。
付き合ってくれて、嬉しかった。
美空…
美空……
誰よりも、愛してるよ。
だから…
さよなら――…。
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