今日、俺は嘘つきになる。
美空への気持ちに…
この雪のように積もる想いに、
一生嘘をつき続ける――。
――午後7時。
俺は約束通りにアパートに帰った。
「ただいま〜」
「メリークリスマス!!」
パンッパンッと音がして、俺の方に紙吹雪が飛んできた。
見ると、美空がクラッカーを構えてこちらを向いて笑っていた。
「へへ〜、ビックリした?」
「…やったな?後で覚えとけよ?」
キャーッと言いながらダイニングに向かう美空を見送り、俺も家にあがる。
…いいなぁ、この感じ。
たわいない会話が楽しくて。
ふたりでいる時間は、何よりも尊い。
「海都〜!早くおいでよ〜、ケーキ食べよう!」
美空の声に促されて、俺はコートを脱ぎ、ダイニングに足を踏み入れた。
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