「わかった。オソロのもんね。選んどく」



「あたしも何か考えとくねっ」



美空はご機嫌でドライヤーをかけ始めた。











ドライヤーの音が頭の中を支配する。



俺の中に不安が広がる。






『美空は女の子だぞ』


『人並の恋愛をさせてあげるべきなんじゃないか?』

『俺といたって、美空は幸せになれないだろう』






そして、反面、もうひとりの俺が心で叫ぶ。






『美空がいなきゃ嫌だ』


『美空が好きだ』


『手放したくない。ずっと一緒にいたい…』










誰にも相談できない。



俺が決めるしかない。






俺は……


どうすればいいんだろう……?










.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.