「わかった。オソロのもんね。選んどく」
「あたしも何か考えとくねっ」
美空はご機嫌でドライヤーをかけ始めた。
ドライヤーの音が頭の中を支配する。
俺の中に不安が広がる。
『美空は女の子だぞ』
『人並の恋愛をさせてあげるべきなんじゃないか?』
『俺といたって、美空は幸せになれないだろう』
そして、反面、もうひとりの俺が心で叫ぶ。
『美空がいなきゃ嫌だ』
『美空が好きだ』
『手放したくない。ずっと一緒にいたい…』
誰にも相談できない。
俺が決めるしかない。
俺は……
どうすればいいんだろう……?
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