俺達の家、と言っても、俺達のじーちゃんとばーちゃんの家。



俺達の両親は、俺達が小さい頃に事故で死んだ。



だから、俺と美空には両親の記憶がほとんどないんだ。



そんな俺達を父方のじーちゃんばーちゃんが引き取ってくれて、今まで育ててくれた。



…けど、先にじーちゃんが逝き、先月、ついにばーちゃんも天に召された。



哀しみにくれる俺と美空の元へ、


今まで音信不通だった父さんの弟から連絡がきた。




――遺産目当て。





俺と美空は、金はいらないから、この家が欲しいと言った。



じーちゃんとばーちゃんと暮らした家。



思い出のいっぱい詰まった、大好きなこの家。






でも、叔父さんがそれを許さなかった。



俺達は、ずっと育ってきたこの家から…出ることになった。






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