…………


したくなっちゃう、って。

……なにを?




キス、じゃないよな。



つまり、その……



「美空、エッチしたいの?」




単刀直入に尋ねる俺に、美空は真っ赤な顔をして俺の腕を叩いた。



「おっ、女の子に言わせる気!?」



バシバシッと何度か俺の腕を叩いたあと、美空は俺の胸に顔を押し付けて、



「…かいとは…したくないの……?」









……そんなの。


「したいに決まってるじゃん…」



……けど。



「今週はキスまでなんだろ?ゆっくり進んでいこうよ」



俺達に許されなかった、

『普通の恋愛』を…美空にさせてあげたいから。





美空は俯いて、首を横に振った。



「あたし…隆文さんにキスされて、思ったの。『海都じゃなきゃやだ』って…」



俺は黙って頷いた。



「なんか…あたしと海都を繋ぐ、強い絆が欲しい。『血縁』じゃなくて、『気持ち』が繋がってるって安心したい…」



美空は俺に強く抱き着いた。





「あたし、海都とひとつになりたい…」










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