しゃがみ込んだままの美空を、見下ろす俺。
美空は相変わらず俯いている。
「どした?ねーちゃん」
「あ…あたし…」
美空は顔を背けたまま、しどろもどろしながら話す。
「…あたし…隆文さんと付き合って…なんか…怖かった」
「…うん」
俺は美空の目線に合うようにもう一度しゃがんだ。
「…隆文さんに…抱きしめられたときは、苦しくて…身体中が『嫌だ、嫌だ』って言ってたの…」
…美空、ソイツに抱きしめられたのか。
俺の中に、イライラした感情が芽生える。
嫉妬、ってやつなんだろうな。
「…でもね…」
「…でも?」
「…海都に抱きしめられたときは、怖くなかった…。
弟だからかなって思ったんだけど、変なの…。身体中がドキドキして、あ、熱くなって…」
……え?
それって………
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