「海都!どういうこと!?リハーサルだって聞いてたのに、急にこんな…。それに、海都のその格好も!」
美空は俺が身に纏う濃紺のタキシードを指差した。
「ごめん、美空。俺、いっぱい嘘ついてたんだ」
俺は、美空に戸籍謄本を差し出した。
「…え?これ…どういうこと?海都の父親が誠二おじさんって……?」
キラキラに装飾された目元が、大きく見開かれる。
「そこに書いてある通りだよ。俺は、誠二おじさんと、当時の彼女との間の子。
美空とは、姉弟じゃなくて…イトコなんだ」
美空は信じられない様子で、じっと謄本を見つめている。
「美空…」
ハッと我に返った美空は、涙を浮かべた目で俺を見た。
「じゃ…じゃあ、あたしたち……」
俺は美空の目元の涙を指先ですくい、頷いた。
「俺達、また愛し合えるんだよ」
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