「ねぇ、おねーちゃん。そらってなんであおいの?」


俺の問いに、幼い姿の美空は空を見上げながら答える。



「うみがすきだから、まねしたんだよ」



「じゃあさ、おねーちゃん、うみってなんであおいの?」



「そらがすきだから、まねしたんだよ」



そらは、うみがすき。

うみも、そらがすき。


じゃあ…

「じゃあ、そらとうみはいつかけっこんするんだね!!」








満面の笑顔で美空に問い掛ける俺の頭に…



誰かの手が触れた。








首を思いきり上へ向け、眩しい太陽に目を細めながらも、手の主を確かめる。





しわしわの目尻が、優しく俺を見つめていた。



久しぶりに見た笑顔。



久しぶりに撫でられた感触。





「ばーちゃん!!」










.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.