俺は今度こそケータイを閉じ、部屋の電気を消した。
気持ちが落ち着いたせいか、すんなりと眠りにつき……
……そして、夢を見た。
俺は…3歳?いや、4歳くらいだろうか。
菜の花が一面に咲き誇っている丘で、美空を追い掛けている。
…あれ?この夢…
前も見たことある。
夢の中で俺は、冷静に『これは夢だ』と認識している。
「おねーちゃーん!まってよ〜!」
幼い姿の俺は、小さな歩幅で懸命に美空を追い掛ける。
「かいと!はやくはやく!ここまでおいで〜!」
やっとのことで美空に追い付くと、美空は俺を軽く突き飛ばした。
「いた…っ」
尻餅をつき、仰向けに転んで泣きそうになる俺に、美空は言う。
「かいと!めをあけて!」
…そこには、どこまでもどこまでも続く、青い空。
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