ビクッと身体を反応させて、美空は思いきり手を引いた。
その瞬間、美空の手の中にあった小皿と箸は、宙を舞ってテーブルの上に落ちた。
「ぁ…あ…ごめん!!」
引っ込めた手を自分の胸の前で握りながら…美空は必死に謝ってきた。
…拒否、された…?
一週間前までは、毎日触れていたのに。
俺の中に、とてつもない不安が募った。
…俺が、そう仕向けたんだから。
美空が俺を忘れるように、
俺が美空に別れを告げたんだから、
美空が俺をもう何とも思っていなくても、それは仕方ない。
でも、どこか期待してた。
美空がまだ俺を想ってくれてるって。
別れてまだ一週間だし、
真実を告げれば、またやり直せるって。
都合よすぎだよな、俺。
美空の心を傷付けておいて、
また美空に愛されたいと願うなんて。
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