相変わらず、青系で統一された美空の部屋。
俺の部屋と違い、整理整頓されていて、部屋が明るく感じる。
テーブルの上には色々な種類のおせち料理。
「すげ……これ全部美空が作ったの?」
「ぁ…あ、うんっ」
無意識に『美空』と呼んでしまってから、気が付いた。
そっか…俺、美空には『普通の恋愛したいから姉弟に戻ろう』って言ってあったんだったな。
俺に『ねーちゃん』って呼ばれると思ってたから、名前で呼ばれて美空は少し嬉しそうな顔をしたんだろう。
「あ…食べよ、食べよ!」
美空は少し緩んだ口元を俺に見せないように、おせちを小皿に取り分けようとした。
「自分でやるよ」
「いいよ、海都は座ってて!」
小皿と箸を取り合おうとしているとき……
手が、触れた。
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