「あのね、訊きたい事あるんだけど……僚二にお兄さん、って、いないよね?」 「は? どう言う事?」 お兄ちゃんは不思議そうに訊いた。 「ん……僚二に似てる人、見たの。だから」 「おまえの見間違いじゃないのか?」 「それだけは、絶対違う」 だってあんなに何回も会ってるんだもん。 見間違いの筈が無い。 「僚二には兄弟いないし、第一、そんなのはおまえだって知ってるだろ」