「涼さん?!」
まさか……と思ったけど、入口のドアにもたれ掛かっていたのは、涼さんだった。
私は急に昨日の夜の事を思い出し、心臓がドキドキしてきた。
バカっ、冗談で言われたんでしょ?
何、本気にしてるの、しっかりしろ自分!
私は気を落ち着かせる。
あれっ?
それより、ここって合宿所の体育館よ?
合宿所の関係者じゃない限り、入れない事になっているのに……それに、なんでこんな時間にこんな所にいるわけっ?!
私の反応を楽しんでいるかの表情をして、涼さんは歩いて来た。
ステージの下に落ちているボールを拾って、私の方に投げてよこす涼さん。
そして、ゴール裏のステージの所に寄り掛かってニッコリ笑った。