いったい、どうしてだろう? 涼さんが消えていった暗闇の方を見ながら、考えていた。 涼さんが言う『美雪』という響きに、私はドキドキしてしまい、呼び捨ても許してしまった。 涼さんの声……懐かしさと温かさと安らぎと、そして、胸が締め付けらけられるような切なさを感じてしまう。 僚二と、やっぱり似ているから? 私はそんな疑問を持ったまま、体育館へと向かった。