1時間くらい車を走らせていたけど、ある場所へ着いて、涼は車を停めた。 なんとなく、途中から分かっていた。 ここに向かっているな、って……。 海。 僚二が居なくなった海。 そして。 涼と出会った海。 「返事、聞かせてくれる?」 私が海の方を見ていると、涼の声がした。 ハッ、として涼の方を見ると、涼は私ではなく目の前の海の方を見ていた。