今の時間はLHRの筈。

もう先生に怒られるのを覚悟しているから、階段を昇って来た勢いで、そのまま教室のドアを開けた。



「すみません!」

その一言だけ、なんとか言った。



「東野、随分と『早い』登校時間だな」

「美雪、『おはよう』、髪切ったんだね〜」

クラスのみんなからの嫌味交じりの激励の言葉を、私は体を半分に折って膝に手を置いて、肩で息をしながら聞いていた。



だって、ずっと走りっぱなしだったんだよ〜。

いくら私でも、疲れるじゃない。