私がモーターボートに乗ったのを見て、ホッ、としたような僚二の笑顔。 ──それが、私が見た、最後の僚二。── 「……や、だ……」 「美雪」 お兄ちゃんが、ギュッ、と私を抱きしめた。 「いやーーーっ!!! 僚二ぃ!!!」 私はただ海に向かって、叫ぶ事しか出来なかった……。