「えっ?」 「……涼、知らなかったんだ?」 「ああ」 「そう」 私、もう一度その場に座った。 「僚二はね、海で溺れた私を助けてくれた時に、行方不明になったの。私の代わりに……」 「『代わりに』ってのは、余計だと思うな」 「代わりよっ! あの時、私が海で溺れなければ……」 そう言ってから、私はあの時の事を思い出していた。