「そうね……忘れられない」



ううん。忘れちゃいけない。



「あいつが居なくなって、4年も経つのに?」

「当たり前よっ!」

思わず立って、握り拳を作ってしまった。

視界がぼやけて、まるで蜃気楼を目の前に見ているような感じがする。



「当たり前でしょ? ……だって、僚二は……僚二は、私を助けたから、居なくなったんだもん」