「話してくれるんでしょ?」

私の問いに『ん?』って感じで首を傾げる涼。



「僚二との事」

「ああ、その事ね」

そう言ってから、涼は私を真顔で見つめた。



逃げたかった……その瞳から。

でも。



僚二と涼の事を聞かない限り、私の心は行き場を失った暴走列車の様に、目的地も分からずグルグル回り続けそうで、私はその視線を受け止めていた。