その時。



「美雪? どうしたの? 体冷やすから早く入りなよ?」

合宿所の中から呼ばれて、そっちを見ると弥生ちゃんが私を見ていた。



「うん。今、戻る」

弥生ちゃんの場所からは私の姿しか見えないらしい。

私の返事を聞くと、涼には気付かずに弥生ちゃんはその場から居なくなった。



私は涼の方へ視線を移す。


「ねっ、知ってるんでしょ?」