でも……もういいよ。



もうこれ以上……このまま涼に会うのは、辛い。



「……あのね、涼」

私は手に持っていたジャケットを見ながら言った。



「ん?」

「僚二……三田僚二、って……知ってる?」



「えっ?」

しばらく間があった後、意外そうな声を上げる、涼。