「無理すんなって。体、だるいんだろ? 寝てて起きないから、俺が温めててあげてたんだぞ?」
「……そんな……」
「何が『そんな』だ。まだ熱は大した事ないみたいだけど、後でちゃんと薬飲めよ?」
そんなの、言われなくても飲むよ……って事じゃなく!
うわっ、うわっ、止めて。
涼が言葉を発する度、背中には振動を感じ、耳元で息遣いを感じる。
何より、両肩からすっぽり包み込むように抱きかかえられ、私は涼の腕の中に居た。
うわっ、ホント、マジ止めて!
──私、男の人にこんな事されたの……初めてなんだからっ。──