「みーちゃん!」

「やっ山ちゃん?待っててくれたの?」

「そうだよ。怪我したなんて言うからさ。」

「ありがとー待たせてごめんね!退屈だったでしょ?」

「俺的にみーちゃん待つのは退屈じゃないよ。」

そう言う山ちゃんの視線の先の教室にはしおり先輩がいて…。

「嘘つき…」

「へっ?なんか言った?」

「別になーんも言ってないよ。帰ろう?」

「おう!」

山ちゃんとの帰り道は、やっぱりしおり先輩の話ばかりで…それでも山ちゃんの隣に居れることはすごく嬉しかった。だけど…いますぐ消えたいと思う私もいた。



「ただいまぁー」

「お帰りなさい。あっちょっと待って美波。」

「なにー」

「突然だけどお父さんがまた転勤するから引っ越すわよ。」

「えっ?いつ?」

「それが明日なのよ。だから今日中に支度しなさい!」

「わかった…。」

ついにこの時が来たんだって思った。やっぱり山ちゃんと別れるのは寂しいしツラい。…だけどしおり先輩が山ちゃんの隣を歩く姿を見るのはもっとツラい。だからこれで良かったと思う。