慌てて私は先輩の腕をほどいて怒った。
「先輩っ!!
まーね。なんて言ったら、あの人誤解しちゃうじゃないですかー!」
「え、かわいいって所に、まーねって言ったんだけどっ」
なんて悪気のない表情……
「なっ!ややこしいいい方しないで下さいっ!
せっかく運命の人に会えたと思ったのにー。」
と言ってまた先輩を睨むと、
先輩は少し悲しそうな顔をした。
悔しくも胸がキュンっとなった私は先輩の頭をよしよしとなでる。
すると急に笑顔に戻って
「だーかーらっ。
沙姫は運命の相手とか探さなくていいの!
ここにいるでしょ?
いとしの王子様がー。」
さっきまでの悲しい表情はどこへいったのか。
「もうっ!先輩は王子様じゃないですっ!
敵ですっ!」
そう私は宣言して、走って教室に戻った。