女神の声がする…!
そう思って隣のノートのはしを見て
書いてある記号を読んだ。


「えと……Fe2です。」


やっとの思いで言えた答えは、合っていたみたいで、先生はまた説明を始めた。

まぁ、すべて隣の子のおかげなんだけど。


「よかった~。あ!ありがとう。助かったよっ。
えっと……」

名前、覚えてない……
と焦っていると、隣の男の子は

「高瀬俊也。隣の席の名前ぐらい覚えてよー。」

と笑いながら言った。


「高瀬くんかっ!ごめんね、名前覚えるの苦手で…」


「俊也でいいよ。
てか、あやまらないでよ。」

正直、男の子を下の名前で呼んだ事がない。戸惑ったけど、本人がいうなら、名前で呼ぶ事にした。


「じゃあ、俊也くん、で。」

と言うと、俊也くんは笑ってくれたので、少し安心した。