「してないしてない。
沙姫ちゃんかわいー」
と先輩はまたあたしのあたまをくしゃってして、
はにかんで笑った。
「嘘。笑ってるじゃないですかーっ!!」
「はいはい。
ほんと、沙姫は乙女だね。」
うん。話題変えるだろうと思った私は
先輩に大分慣れたと思う。
「余計なお世話ですっ。
きっと運命の人は
運命的な出会いをして現れるんですっ」
「もう、会ってるじゃん」
と言って先輩は立ち上がった。
「え?」
「沙姫と、こうやって
運命的な出会いしたじゃん」
と先輩は窓によりかかって微笑んだ。
「な、なんでですかっ!
別にしてないですっ」
「嘘ー。顔赤いって」
「赤くないですっ。」