それから毎日、先輩は迎えにくる。

決まって「沙姫ーーっ」

って叫ぶからほんと恥ずかしい。

周りの子はあんまり反応しなくなったけど。

体育の時間
友香が先輩の話を始めた。

「高橋先輩、最近毎日くるねー。
付き合ってるの?」

「え?!まさかー」

「そーなの?
先輩、結構人気なんだからね。」


「えっ?!なんで?!」


「なんでって、沙姫は分かってないなぁ。
先輩、運動できるし、かっこいいし、超優しいから有名なんだよ?」


へぇぇぇ。先輩、ちょっと変わってるし、私にはいじわるしてくるし、
そんなイメージなかったけどな。

「まぁ、誰かに取られる前に、誘惑しときなさい。」


「ゆ、誘惑って…。
それに私、クールで紳士みたいな人が好きなの!
誕生日にねー、花束とか
持ってきてくれて………」


「でたよ、沙姫の理想の王子様。

いいかげん現実みなさーい。」