「これから会う井藤さんって、どんな人なんやろな?」


健が二人に向かって問いかけた。


「僕はボンキュッボンで、めちゃくちゃ可愛い顔立ちでオッパイがキューっと上がって」


「はいはい」


などと会話しているうちに、辺りの景色には雪が混じってきていた。少し走るとバスは小さな町に着いた。







11時2分。


運がいいことに客が健たちだけだったので、住所のところまでバスで送ってもらうことが出来た。


バスから降りると辺り一面銀世界で、足の付け根くらいまでは雪が積もっている。


目の前には、家と言うより屋敷といった方がいいくらい大きい茶色の建物に【井藤】という表札がかかっていた。


なぜこんな所に住んでいる のだろう?……まあ今はそんなことより、とにかく時間のループについて何か力になってくれる人物であってくれ、そう願いながらインターホンを押した。


「はーい、どちら様ですか」