「……ん!……ェん!……けん!……健!」)


「健!」


一階から呼ばれる声で、健は目を覚ました。


「健!健ー!お友達、来てるでー」


「今すぐ降りるから待ってもらってー」


体を起こしてみると体中に汗をびっしょりかいていて、時計はもう6時を指していた。


どうやら悪い夢を見てうなされていたらしい。こんな状況だ、あんな夢を見ても無理もない。


竜二たちには部屋に上がってもらい、軽くシャワーを浴びた。


風呂から上がると智子が笑顔で待っていた。


「あんたら、今日はやたら早くから遊ぶんやねー!いってらっしゃい」


どうやらピクニックか何かと勘違いしているらしい。説明していても長くなりそうだったので、素直に返事するとすぐに竜二たちに部屋から降りてきてもらい、出発した。







10時8分。


W市のP駅に着いた健たちは、バス停の古く青いベンチに座ってJ町行きのバスを待っていた。