竜二がやや不安そうに聞き返した。


「あっ!…………忘れてた」


「ほれみろ!ほな行かれへんやんけ。どうするねん」


「うーん……伸也、この人のこと、なんか知ってる?」


すると、伸也は待ってましたとばかりに話し出した。


「フッフッフ。僕は、実は今日、この人のことを調べてきてん。名前は健が言うた通り井藤雪江、年齢は29歳、両親とは死別してて1人で能力を生かして暮らしている。住所はW市J町2―3―59、仕事は超能力捜査やけど、占いとかもやってる。1回の料金は占いで2万〜、超能力では10万〜がだいたいの相場、今まで解いた主な事件は『一億円事件』『○×駅集団通り魔事件』『★●◆殺人事件』ってな感じかな」


「おぉー!すげー!」


伸也は得意げな顔をしながら鼻をポリポリと掻いている。昔から照れるとよくやる。これが伸也の癖らしい。


「本間にそいつ、超能力なんか使えるんかー?」