不思議に思った健は一度自転車を停めて少し止まっていたが、何があるわけでもなく冬の風だけが横を通り過ぎていった。


「幻聴?疲れてるんかな……。まぁえぇか」


少し違和感を残しつつも再び自転車をこぎ始めた健は、竜二を誘って家に帰った。







17時。


伸也が到着し、話し合いが始まった。


まずは健が今日図書館で調べてきた重力のことを話した。


「んー……確かにそれは正しいことかもしれんけど、時間を戻すとかまでいくかな?しかもそれやったら政府が重力を操ってるってことやし、今の技術では不可能やろ。それに重力が変わったら、一瞬でも体に変化が起こるんちゃうか?」


「そうやな……」


伸也の厳しい指摘によって重力の可能性はほぼなくなった。


続いて超能力者のことを話した。


「ってなわけで、明日この人に会いに行こう」


「会いに行くのは別にええけど、住所とか知ってるんか?」