「さっぱり……解決策の前に原因すらはっきりせーへんねん。とりあえず原因の候補に出たのが政府の実験で全国的なサブリミナルを起こしとるとか、超能力とか、地球がおかしくなっとるとかしかないわ。どれにしても信憑性に欠けてるし、ほぼ100パーセント不可能なことやし……」


「ん?サブリミナルって何なん?」


竜二の問いに、今度は伸也が答えた。


「えっとなー、例えば今は禁止されてるみたいやけど、映画館でフィルムの1コマ1コマの間に0、3秒ぐらいの時間でポップコーンとかコーラの絵を入れるねん。ほんなら不思議なことに、観客の半分以上が喉の乾きをうったえて、映画館の飲食物の売り上げが跳ね上がったらしいねん。こういう風に人の潜在意識に直 接作用して、知らん間に頭に入り込ますのをサブリミナルって言うんやと思うわ」


「あっ!何か同じようなん聞いたことあるわ。目つむってもらって『今からめちゃくちゃ熱くしたアイロンを腕に当てます』って言うて、ただのサシを腕に当てたらめちゃくちゃ熱い気がしてミミズ張れになったってやつ」


「そうそう、そんな感じのやつ」