「はいー」


とても眠そうな声が返ってきた。今の今まで寝ていたのだろう。


「おぅ竜二!おはよう!今日10時から約束してたけど、遅らしてくれへんかな?」


「んー?何でー?」


まだ頭がはっきりしないらしく、返事がどこかうわの空だ。


「いや、お前の作った曲……」


「えー?何てー?」


「あっ!いや……ちょっと今日は、えー、お腹!そぅ、お腹痛いねん!下痢や下痢!だから2時間!いや、1時間半ぐらい遅れるわ」


「ん、わかったー。おやすみー」


どうやらよほど眠いようだ。まぁそのおかげで聞き分けがよかったのだが。


「あいよー!おやすみー!ゆっくり寝ぇやー!」


「んー」


9時、36分、通話時間○○秒


また通話時間が出てこない……。まぁ、初日から通話時間は壊れてたか……。


電話を切った健は早速赤いエレキギターを手に取った。