「竜二はお前と違って、そんな単純やないねん。例え信じたとしても、そんな理由やったら疑いも感じるやろう」


「悪かったですねー、どうせ僕は単純ですよー」


「おい、真面目に考え……あ!」


「お?どないした?」


「あっ、あった!竜二を説得出来るかもしれん……今しか無理や!また後で電話するから、何か考えとって!」


「おい!健?」


ピッ


9時、35分 通話時間4分45秒


そうや……この手があった……


伸也との電話を切ると急いで竜二に電話を掛けた。


プルルルルル。プルルルルル……。


4回、5回とコールしているが竜二は出ない。


プルルルルル……。


7回、8回……


プルルルルル……。


12、13……


諦めようと電源ボタンに指を置いた時だった。