「……ムダや。存在せぇへん、バーチャルのお前に、人間様は殴られへんよ」


「竜二……竜二!」


「ほな、健」


竜二は人差し指をグッと握り締め、銃を放った。


その瞬間、銃口から光の弾が現れ、健と雪江に命中した。


光が消えると、そこには健と雪江の姿は無かった。







―GAME OVER―








カチッ


「あーあ、またゲームオーバーか。どうやったら竜二倒せるんやろう?」


少年はテレビゲームのスイッチを消すと、階段を降りて一階へ行った。一階には、母がいた。


「あんた今日は早いなぁ。何かあるんか?あっ、もしかして彼女?」


「え?」


小指を立ててそう聞く母を、少年は呆然と見ていた。


―完―