「……ほんまやからや。……つまり……健、お前も雪江さんも、伸也も……全員、俺が作ったバーチャル人間や。ゲームの中の登場人物や」


「……竜二……嘘やろ?」


「嘘と思うなら、俺を触ってみろよ」


健はわけがわからないまま竜二に近づき、竜二の顔にそっと手を伸ばした。


「……あれ?」


健の手は竜二の額をすり抜けた。


「……これでわかったやろ?この世界の……現実の世界の住人は、生きるのに疲れてる。せやから、皆バーチャルを作って、ちょっとでも気分をすっきりさせてるんや。ギャングが作った、最高にリアルなゲームや」


「竜二……嘘やと言ってくれよ……」


「……ホンマや」


健の瞳には涙が溢れた。


「ほんなら……一緒に事件を解決してたのも、一緒に遊んで笑ったことも……」


「……全部、茶番や。まぁ、結構楽しかったよ」


「竜二!お前なぁ!」


健は竜二目がけて思い切り拳を振り下ろした。


だが、すり抜けてしまった。