健はゆっくりと立ち上がると、涙を拭って言った。


「え?!ちょっと見せて!」


雪江は健の傷口を確認した。


「あれ?奇跡的に、全部急所を外してるわ……これなら、止血したらなんとかなるかも……」


雪江はフラフラになりながらも急いでカウンターに向かい、撃たれた腹部を押さえながら救急セットをさがしに行った。


「伸……也……」


健は死んだ伸也を抱きかかえた。


「……あれ?伸也……まさか……」


雪江がカウンターから戻ってきた。


「健君、救急セットがあったわよ」


「雪江さん……どうやら、弾が全部急所を外してたのは、偶然やないみたいです……」


「どういうこと?」


「伸也の肩を見てください」


「肩?」


伸也の肩には、手の大きさぐらいの青いアザがあった。


「何このアザ?」