「あなたですか?さっきから騒いでいるのは。警察に通報しましたから」


「そうですか」


そういうと、健は車掌の腕を思い切り掴んだ。


腕は音を立てて折れた。


「ぐあああ!何をする!」


「弘満ー!そんな格好やから全然わからんかったわ!メイクもしっかりしやがって!久しぶりやなー!」


健は車掌、いや弘満のもう片方の手を蹴った。


神の時計を持っている健は、蹴っただけで腕を折った。


「うっ!畜生……なぜ私がわかったんだ……?完璧な変装のはずだ」


激痛に耐えるように、弘満は喘ぎ声で言った。


「だって、よく考えたらおかしいやろ。なんで伸也が消えてから、俺の携帯に電話せんと伸也の携帯に電話するねん。理由は一つや。お前だけ、俺が携帯を落としたことを知ってるからや」


「畜生……」


弘満はあまりの痛さに、座り込んだ。


「どうしたんや?時の時計持ってるんやろ?殺せよ!俺を殺してみろ!」