「健、お前に何回も電話したんやぞ。今まで何しとったんや?」


「すまん……俺……携帯落としてしまって……ゴメン……」


時間がせまっているというのに、やけに冷静な伸也に異変を感じたが、健は気にせず大泣きした。


「おいおいお前、恥ずかしいわ。ここホームの真ん中やぞ。とりあえず人目につかんとこ行こ」


「伸也……すまん……俺、お前のために何もできへんかった……」


「は?何言ってんねん。あ、お前女神の時計持ってるでな?ちょっとかして」


「え?」


「いいから、とりあえず時計貸してみぃ!」


健は無言で頷くと、ポケットから時計を取り出して伸也に渡した。


「伸也……ゴメン……でも、お前だけは助ける……」


「は?」


「実は……弘満は、お前だけを消そうとしている。でも俺は今、神の時計を持ってる……これさえあれば……解放の光をお前に当てられる……」