「とりあえず、この店でもうちょい聞き込みするわ。健も何かあったら連絡して」


「わかった」


ピッ


通話時間2分45秒


「くそ……弘満、絶対見つけてやる!」


健は声に出して言った。







17時。


「くそ……くそ!」


健は拳を部屋の壁に叩きつけた。


ずっと考えていたが、何も思いつかない。時間がない。


じっとしていられなくなった健は、I駅の「乙女」という喫茶店に行ってみることにした。


家を出た健は、駅に向かった。最寄り駅からI駅までは二駅だ。


電車に乗った健は、しばらく目を閉じていた。


疲れきっていた健は、深い眠りについてしまった。


また夢を見た。


(弘満!畜生……なんでここに!)


(健!僕はいいから、逃げろ!)


(ハハハハ。死ね。)