おかしい。そんなはずがない。


……誘拐事件のニュースが消えている……。


どうなってるんや?誘拐事件だけがないなんて、ありえへん……


そのとき、ピピピピピ!と携帯が鳴った。


「うわぁ!びっくりした……あ、竜二からや!」


急いで電話に出た。


「もしもし、竜二か?電話が来たってことは……」


「……あぁ。記憶はあるよ。しかし変な気分やなぁ、時間が戻るって。さっきまで混乱してたよ……」


「とりあえず、記憶はあるんやな。ほんなら伸也から連絡がきたら、一回俺の家に集まろ。大事件や」


「大事件?」


「おう。詳しい話は後や」







11時。


健と伸也は、健の部屋で竜二を待っていた。


「遅いなぁ……」