23時30分。


健の部屋に戻ってきた二人はこたつに入ってダレていた。


結局何もすることはできなかったし、何もわからなかった。


テレビでは赤白歌合戦をやっていた。今回も0時になったとき、ループするのだろう。


でも、もしかしたら今回で終わりかも……。そんなことを考えながら例の時計を触っていた。


伸也の方を見ると寝息 をたてて眠っていた。朝あれだけ早かったのだから無理もない。


0時が近くなるにつれ次第に健のまぶたも重くなっていった。


─さぁー『いったれ年来たれ年』今年もあとわずかとなってまいりました!皆さん一緒にカウントダウンしましょう!


10……


9……


8……


7……


6……


テレビの音が微かに耳に入った健は、ぼんやりと目を開けてテレビを眺めていた。


5……


4……


3……


2……


1……


その瞬間、時計が光った。