当たっているも何も、書いた順番さえ当たっている。


「すごい!超能力ってホンマにあるんやなぁ」


竜二が子供みたいにはしゃいでいる。


「……じゃあ次は、これの中身を透視してもらってもいいですか?壊れて動かなくなってしまった時計なんですけど、何か中に入ってないか見てほしいんです」


そう言いながら健は例の時計をポケットから取り出して、机の上に置いた。


雪江は時計に布をかぶせると、手をかざし再び目を閉じた。


「……?!これは……どこで買った時計?」


「いえ、拾ったものなので何も……」


「残念だけど、これは何も見えないわ。こんなことは私も初めてたけど……中が黒くなっているの。でも黒い何かが入ってるわけでもないし……吸い込まれていきそうな黒……」


部屋がシーンと静まり返った。


外は吹雪になって大粒の雪が窓を叩いていた。


「何かこの時計から感じるものとかもないですか?」


雪江は静かに横に首を振ると、力になれなくてごめんなさいね、とだけ付け加えた。